外資系転職にTOEICは何点必要か|800点で働く実務者の実感と、スコアより大事なこと
この記事の要点
- TOEICの役割は書類選考を通過することであって、実務能力の証明ではない
- 筆者は800点程度で外資系FP&Aとして勤務。スコアより「英語で仕事が回せるか」が問われる
- 事前情報なしに英語面接が始まることがある。スコアより即応の準備のほうが効く
外資系への転職を考えるとき、多くの人がまずTOEICのスコアを気にします。「何点あれば応募できるのか」という問いです。
TOEIC800点程度で外資系企業のFP&Aとして働いている筆者の答えは、少し身も蓋もありません。TOEICは書類を通過するための道具であって、それ以上でも以下でもない——これが実感です。
TOEICは「入場券」であって「評価軸」ではない
求人票に「TOEIC◯点以上」と書かれていることがあります。これは主に書類選考でのスクリーニング基準です。一定水準を満たしていない応募者を機械的に外すために使われます。
逆に言えば、スコアが高いこと自体が高評価につながるわけではありません。面接に進んだ後に問われるのは、英語で実際に仕事が回せるかであって、スコアの数字ではないからです。
| TOEICが効く場面 | TOEICが効かない場面 | |
|---|---|---|
| 書類選考 | ◎ スクリーニング突破 | — |
| 面接 | △ 話題にはなる | 実際の受け答えで判断される |
| 入社後 | × | 会議・チャットで回せるかがすべて |
実務者としての現実的な基準
スコアの話をする前に、実際にどれくらいの英語が必要なのかを知るほうが有益です。
会議の1/3〜半分は英語 部署にもよりますが、外資系である以上、海外部門とのやり取りは必ず発生します。感覚としては会議の3分の1から半分くらいが英語になり、英語のチャット・メールは日常茶飯事です。最低限必要なのは、それが苦にならない程度の英語力です。
そして実用的な基準を挙げるなら、相手の言っていることがなんとなく分かる、感覚的には70%くらい理解できる——この程度あれば普通にやっていけます。
この「7割」という水準を、TOEICのスコアに機械的に換算することはできません。ただ、筆者が800点程度でこの状態にあることは事実です。より詳しい実務の中身は外資系FP&Aに必要な英語力に書きました。
AIでハードルは下がった
近年で最も大きく変わったのはここです。
AIツールがかなり進化しているので、以前ほど英語のハードルは高くありません。 会議では字幕を活用できますし、英語のチャットは基本的にAIで大体対応できます。読み書きの負担は数年前とは比較にならないほど軽くなりました。
これは「英語を勉強しなくていい」という意味ではなく、スコアを100点上げる努力より、AIを使いこなして仕事を回すほうが実利が大きい局面があるということです。AI活用が実務スキルとして重要になっている理由はFP&Aに必要なスキルで書いたとおりです。
選考で本当に気をつけるべきこと
スコアを気にするより、こちらのほうが重要です。
事前情報なしに、英語面接が始まることがある 実際にあったケースですが、事前に英語面接があるという情報はなかったのに、ある企業では急に英語で面接が始まりました。否応なく英語で対応することになりました。
外資系を受けるなら、どの面接も英語に切り替わりうる前提で準備しておくべきです。
準備しておくべき最低限は次の3つです。
- 自己紹介(1〜2分)を英語で
- 職務経歴の要約 — 担当領域とツール経験は日本語でも必ず問われる項目なので、英語版も用意する
- 志望動機 — 短くていいので言い切れる形に
この準備は、TOEICを50点上げるより確実に効きます。
スコアが足りないと感じている人へ
筆者自身、帰国子女や海外留学経験のあるメンバーに比べれば英語力は明確に劣ります。これは埋まらない差です。だから半分諦めながら、英語力以外のところでバリューを出すことを心がけています。
外資系の年収が高いのはロール(職務)に値段がついているからであり、評価されるのはそのロールで成果を出せるかどうかです。英語は入場券であって、勝負の中身ではありません。
分析の質、モデリング力、事業への理解——英語以外で戦える場所は確実にあります。スコアを理由に外資系を諦める必要はない、というのが5社を経験した実感です。
まとめ
- TOEICの役割は書類選考の通過。実務能力の証明でも評価軸でもない
- 筆者は800点程度で外資系FP&Aとして勤務。実用基準は「相手の話が7割わかる」
- AIで読み書きのハードルは大きく下がった。字幕とAIチャットで実務は回る
- 事前情報なしに英語面接が始まることがある。自己紹介・経歴・志望動機の英語版を用意しておく
- 英語力で勝てないなら、それ以外で勝つと決める。それが現実的な戦略
※必要なスコアは企業・ポジションによって異なります。本記事は筆者の経験にもとづく見解です。